中小企業人づくり活用実践法

最近また、いろいろと面白い本を読み終わっているのですが、全部を紹介するのは大変なので1冊だけ。

人事労務について、
ほぉ~~~!!!!と思わせる本です。

漠然と労務管理により組織を活性化させるために
心理学の分野を応用させたいものだと考えていたのですが、
まさに心理学を応用した人材教育を軸においた会社の社長さんの
本でした。

「中小企業の人づくり活用実践法」(著:阿部 忠)

1995年に出版された本なのですが、ぜんぜん古さを感じません。
社員数約50人ぐらいの会社(製造業)の導入実例とか書かれていて、
そのまま、事例を活用できそうな内容です。

社長さん、人使いに悩み、ついには発達心理学を勉強して、
それを経営という実践の場にフィードバックするようにし、
本に紹介されている人事制度を確立させたようです。

発達心理学・・・いま流行しているコーチングみたいなものですかね?
本の中でも「自己への気づき」を重要視しています。

もう約10年前の本なのに、既にこれからは「心の時代」と書かれてます。

「歴史とは堅い言い方をすると「外へ向かう時代」と「内へ向かう時代」の間を
振幅しながら絶え間なく上昇していくらせん状の運動である。
日本は少し前までは、外へ向かう時代だった・・・
その時代の人々の考え方、見方は西洋的なものである。
わかりやすく言えば、バブル時代がそれにあたる。
消費を目的として、人は自分の欲を満たすことばかり考えていた。。。
一方、内へ向かう時代とは、東洋的なものの考え方をする時代である・・・
人々は精神的な安らぎを求めて、自分の欲望を抑えて生きようとする。
また人間を支配しようとする経済的活動を必要最小限に押さえようともする。
この時代は、私達がもう1段上のパラダイム(雛形)をつくる時代でもある。
言い換えれば、物質文明から精神文明へとウェイトを移すときでもある・・・
それは心の時代でもあることを認識しなければならない」(引用)

まだまだ書きたいところなのですが、
そのうち時間があったらブログに読書感想文書きます~。
目標管理制度や情報の共有化システムなど、かなり共感する内容が多く
面白く読めました。

本の内容、全部面白く読めたのですが、紹介しきれないので、特に面白いと思ったところについて内容を編集して部分的に紹介します。

~経営の原点は人の協力を得ることにある。「人の協力を得るにはどうすればよいか?」という、経営者としての大きな命題に到達するまでの過程は決して簡単なものじゃなかった。昔は一方的に「なぜ、社長の私の言うとおりにしないのだ。だから会社がよくならないのだ」と社員を叱り飛ばしてばかりいた。しかし会社は一向によくならない。当然、社員の反発が増し、労働争議に発展。離職者も多数発生。この苦い経験が、経営の原点に立ち戻らせてくれた。それは、「会社は経営者1人のものではない。そこで働く人たちの協力がなければやっていけない」言葉にすれば簡単だが、今日、この簡単なことが理解できなくて、経営に苦しんでいる経営者は多いのでは?
何事も自分中心の考え方で、一緒に働いてくれる社員や、会社に協力してくれる得意先の人たちの気持ちを全然考えずにいた。ただ、会社が儲かればよい、私が利益を得ればいいと考えていた。自分を生かすことばかり考えて、他人を生かすことを考えていなかった。しかし間違っていた。自分を生かしたいと考えるなら、まず、他人を生かすことであるのに・・・~

~会社、家庭、社会と、人間はいろいろな枠の中で生きている。しかし本来、人間というものはまったく自由な状態でいるのが自然な原点の状態であり、これは脳の構造から見ても、生まれつき古い脳(哺乳類)に組み込まれている。本能(古い脳)から遠ざけられているのが、現代社会生活。それは社会環境が産業構造の高度化に伴い、ますます新しい脳(知識・理性)の働きに偏るようになり、古い脳とのバランスを欠き、ストレスになっている。社員は企業という枠の中で、本来の自由という感情をコントロールしている。当然そこにはストレス発生。その中で、社員が生きがいと働きがいをもって生き生きと明るく働くためには何が必要か?~

~経営者が企業理念に基づいた、社員が主体性をもって働ける態勢をつくれば、社員達も働きがいをもつことができる~

~企業というのは、言うまでもなく1つの組織体。いろいろな人が集まっている。顔も性格も違う。様々な異質の社員たちが、利潤の追求と、そこで働く自分達の幸せを目標に働いている。そこで大事なことは「自己への気づき」。自分が周囲の人(相手)に対してどういう影響を与えているのか、ということに気づくことが重要。そこから、1人1人の人間として対等な、言い換えれば平等な人間関係が始まる。相手の立場(存在)を尊重した、大人と大人の関係樹立。それができてこそ、「社員が主体性をもって働けるシステム」ができる。この前提条件ができているかどうか・・・~

・・・・・・・・・なんか、まだ本のはじめの20ページ目までで、こんなにも文章が長くなってきました。まだまだ本に付箋つけているページがあるのに(汗)。。。

精神的な話ばかりじゃなくて、実際の実践、導入の話なども多く書かれているのですよ。
新入社員に対する教育とか、適正検査、目標管理制度、OJTなどなど。。。。

社員を活かす受け入れ態勢があるか?
心の安定が能力発揮につながる。
魅力ある会社づくりで「協力する心」をつくる。
社員も経営者も納得する会社づくり。
コミュニケーションのある会社を・・・会社が何を考え、また社員が何を考えているかをお互いに知るということは、教育の原点。情報の共有化。ミーティング。
やる気を起こす条件とは?
心理学応用システム導入7つのステップ・・・・社内の人間関係をよくする→人の見える会社を目指す→自己への気づきの研修→目標管理の導入→人事考課→真の豊かな人間性の形成・・具体的には仕事以外のところでの人間性の形成

などなど。。。。


かなりキーワードだけにしてみましたが、これでもまだ本の前半部分までです(泣)

後半の具体的なノウハウを紹介するのは諦めました・・・・・


現代社会、コンピューター、携帯、テレビ、ゲーム・・・・情報が氾濫し 流れあふれるようなバーチャルな錯覚をおこしそうになる世界と隣り合わせに生きているんですよね。
時々、油断するとリアルを忘れそうになります。

産業の発展、発達に比べて、「心」は置き去りにされてきたように思います。

「物質的な豊かさ」から「精神的な豊かさ」へシフトするような時代がきているんじゃないでしょうかねぇ。
将来 日本に訪れるであろう少子高齢化の深刻な問題や、インドや中国に抜かれ世界的な経済地位が下がる可能性があることを考えれば、いまのうちから少しづつ心の準備をしておいたほうがよい気がする。

何が大切か?
いままでは効率性と物質的な面にばかり偏ってきたから、窮屈な世の中になってきて、女性も安心して子供が産めなかったり、高年齢の人でも勤勉で定着率が高いなど採用すればメリットあるはずなのに年齢だけで門前払いされて活用されてこなかったりだったんじゃないですかねぇ。。。。

ほんま、健康保険の給付とか障害年金とか、精神病の患者の申請が増えているようですよ(汗)。。。

一部の勝ち組が、弱い立場のものに しわ寄せを押し付けるという社会構造は好きになれないなぁ・・・・。
とはいっても、その勝ち組に思われている人だって、かならずしも精神的にも豊かかといえばそうじゃなかったりするかもですが。

精神的な豊かさだったら、勝ち負けもなく、みんなで実現できるかもしれないと思うのです。
うん。。。。かなり理想論ですが(笑)。実際は難しい。。。

21世紀型労務管理は「心」がキーワードですかね?

かなり最後の方、個人的な雑感が入ってしまいました。

すみませんね。

             記・2006.5.20


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